メールやSNSで文章を書いていて、なんだか誤解されたようだけど、理由が分からない…。
子どもの作文を読んでいると、なんか読みづらいけれど、どこをどう直していいか分からない。
ブログやSNS、記事を読んでいると、「なぜか読みづらい・伝わりづらい」文章に出逢うことがあります。でも、「なぜそうなるのか理由が分からない!」「自分の文章のどこをどう改善すればいいのか分からない!!」そんなお悩み相談をよく受けます。
そんな時、私がよくお伝えするポイントがあります。年間およそ24,000回以上の文章を読み添削してきた経験から、伝わりやすい文章を書くために、今すぐにできる3つの極意をこれからご紹介します。
題して、伝わらない原因モンスターを倒せ!!3つの文章極意!!です。
わぁ‥‥倒せるかな…って、お母さんふざけてない??
決してふざけているわけでは…(笑)
まじめに3匹倒していこう!
原因モンスターの倒し方(、もといおススメの書き方)と、その極意についてそれぞれ簡単に解説していきます。
①極意①打倒ネジレン!「主語と述語」を仲良くさせよ!
前回の記事でも書きましたが、
日本語の文章は主語(何が)と述語(どうした)の間に修飾語(説明する語)が入るので、ものすごく文がねじれやすいです。(主語と述語が対応しない)
だから、まず心がけるのは「主語と述語を仲良くさせる」こと。つまり、文をねじれさせずに「何がどうした」かが繋がる文を書けばよいのです。
彼が言うには、最近Aちゃんは様子がおかしいのだ。
彼よりも、文がおかしい(笑)。さて、上の文のおかしなところに、お気づきでしょうか。主語と述語だけを取り出すと、
「彼がおかしいのだ」になってしまい、文脈が合わないということが分かります。(彼が、「最近Aちゃんはおかしい」と話していたので、おかしいのは彼ではなく「Aちゃん」です。)
考えながら文章を書くので、日ごろから❝ネジレン”対策をしていないと、文章は短くても無意識にねじれてしまいます。読み手に取ってねじれた文は非常に読みづらく、「だれが?」「どうなったの?」と、読み手に負荷をかけてしまいます。
うう~~ネジレンめ!!僕が書く時の、よくわからない文もネジレンのしわざだったんだね!どうやって倒したらいいの?
◎主語と述語の仲良し方法
ネジレン対策に効果的なのは、「主語と述語を仲良くさせる」こと。
つまり、「何が(誰が)どうした」を明らかにして、整理して書くことが大事です。
さっきの例だと、「彼」と「Aちゃん」と2名人物がいるので、「彼がする動作」と、「Aちゃんがする動作」を分けて書くとよいです。
彼が言うには、「Aちゃんは最近様子がおかしい」らしい。
①「かぎかっこ」をつけて、彼とAちゃんの違いを分ける。
②彼が言うには~~~らしい。
↑と、主語と述語が統一できるように、語尾を変える。
このやりかたがオススメだよ!!
ねじれになかなか気づかない方は、まず「述語(どうした)」から探すこと!
述語(どうした)→のは→主語(だれ?)の順で探すと、ねじれの発見と修正が早いはずです。ぜひ試してみてください。
ギャ~~~ねじれを直されてしまった~~~
やった!ネジレンを倒したぞーー!次のモンスターに進もう!
②極意②撃破ナガイネン!「1S1M」を徹底せよ!
「1S1M」とは、「1Sentence1Message」の略です。これは、スライド作成時のコツ「ワンスライドワンメッセージ」の文章版です。
つまり、「1文1意=1つの文では、1つのことだけ言う(書く)」こと。
「1つの文に1つのことだけ言う」って・・・
それくらい知ってるよ!
そう言われると思ってた(笑)
でもね、それには理由があるんだよ♪
実は、子ども達の文章だけでなくSNSやブログ、Youtubeのテロップ、街中の説明文などでも、伝わりづらい文章は、この「1S1M」ができていないことがほとんど。
「1S2M」とか、「1S3M」とかになり、1つの文に2つや3つの意味を込めてしまうと、途端に文がねじれやすく自分が思っている以上に伝わりづらい表現になりがちなんです。
だからまずは、この「1S1M」を意識して文章を書くことがオススメです。
本店では、来店されたお客様に向けて秘伝のタレを使ったお通しを提供させていただいていますが、お通し料金が高すぎて困るから無くしてほしいというご意見もあるので、ご来店いただくお客様には、お忙しい中足を運んでくださるので、それでは本店のおもてなしが感じられません。
ブンショウヲ、ナガクシテヤッタネン
1つの文にたくさん「言いたいこと」を詰め込みすぎて、
もはや何が言いたいのか分からなくなってるわ!!
「誰に」「何を」伝えたいのか、「誰が」感じているのかが、ごちゃまぜになっています。1つの文にまとめることで、かえって文が長くなりねじれまくっています。前記事の、具を詰め込みすぎたハンバーガーのようです。
この文章の意味は大きく分けて3つ。
①お客様に特別なお通しを提供している。②料金が高いから無くしてほしい要望がある。③それでは、おもてなしの心が(お客様が)感じられないのでは。(とスタッフが思っている)
お客様と、省略されたスタッフ(店側)の2つの立場が、ごちゃまぜなことが分かります。
これを「1S1M」を使って、1文を短く直していくよ!!
◎1文を短くする方法
本店では、来店されたお客様に向けて秘伝のタレを使ったお通しを提供させていただいています。お通し料金が高すぎて困るから無くしてほしいというご意見もございます。我々としましては、ご来店いただく皆様はお忙しい中足を運んでくださるので、本店のおもてなしがお伝えできないのではと感じております。
まだまだ長いのですが、まず「1S1M」で文を3つに分けました。次に、主語を追加し、最後に語尾の表現を変えました。(感じられない→お伝えできない)
こうすることで、かなり読みやすく「誰がどうした」かが分かりやすく伝わりやすくなるのではないでしょうか。本当はもっと直すところもあるのですが、ひとまず「1S1M」をするだけで、文が読みやすくなるのを感じて頂けたのではないでしょうか。
ブンショウヲ、ミジカクサレテシマッタ~~~
やった~!!残るはあと1体だ!!
がんばってやっつけるぞ!
③極意③討伐ツナガラナイネン!接続詞をマスターせよ!
最後にマスターしたいのが、文と文をつなぐ役割を果たす「接続詞」です!!
学校の授業では、文法の分野で小学3年生ごろから「つなぎ言葉」として実に7年間も学習するのです。にもかかわらず、一向に身に付かず、中学生になっても接続詞を使いこなせずにねじれ文やブツ切り文を書く子が非常に多いのです。
その理由は主に3つ。
①接続詞が意外と多いので覚えられない。②他の文法と一緒に学習するので、量が多く使いこなすまで授業では到達できない。(復習ありき)③学校の授業はインプット中心なので、アウトプットの量が少ない。
接続詞の使いこなしについては、長くなるのでまた別記事で。今回は、ブツ切りになった文を接続詞で繋げる極意を紹介します。
本店では、来店されたお客様に向けて秘伝のタレを使ったお通しを提供させていただいています。お通し料金が高すぎて困るから無くしてほしいというご意見もございます。
前の段落で直した文章です。お気づきの方もいると思いますが、実は完全とは言えずブツ切り文になっているのです。「お通しを提供している。」という内容と、「お客さんから意見がある。」というもの2つ。
このままでも読めなくはないのですが、ひとこと「接続詞」を添えるだけで、次のようにグッと読みやすさが上がります。
本店では、来店されたお客様に向けて秘伝のタレを使ったお通しを提供させていただいています。一方で、お通し料金が高すぎて困るから無くしてほしいというご意見もございます。
このように、文と文を適切な接続詞で繋いであげることによって、読み手を置き去りにしない、読みやすく伝わりやすい文章にガラッと変わるのです。
ギャ~~、ぶんしょうをつながれてしまった~~
やった~~!!ついに伝わらない原因モンスターを
全員倒したぞ~~~!!!
伝わる文章書き方、極意まとめ
いかがでしたでしょうか。1つ1つはちょっとしたことですが、この3つを意識するだけでぐっと伝わりやすい文章になることは間違いなしです!
この3つの極意を意識して、文章を書いてみてください。読んでくれた皆さんが、少しでも簡単に伝わりやすい文章が書けるように、応援しています。